No.99 (ナポレオン時代A)  : 

「各国の反仏ナショナリズムとはどのようなものか?」

ナポレオンの侵略に対し、各国の反仏ナショナリズムが高まった。スペイン
でのねばり強いゲリラ的反乱、プロイセンでの宰相シュタインとハルデンベ
ルクによる近代化の成功、ロシアではモスクワを占領されたが焦土作戦など
で仏軍を退却させた。ナポレオンを退位に追いやったのは、彼が種を播いた
このような各国の民族意識や国民意識であり、その結実が諸国民戦争(ライ
プチヒの戦い)であるといえる。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

セントヘレナ島で書かれた回想録中の、「スペインの潰瘍が余を破滅させた」
という言葉に込められた、ナポレオンの悔しい気持ちを想像することで、大
きな関心を持って学習に臨んでいる。

思考・判断:
近世的な王朝支配からの解放者として、ナポレオンがスペイン等に種を蒔いた
ナショナリズムや自由主義が、やがてそれらの国家や民族にとって、「外国の
支配者」であり侵略者としてのナポレオンに牙を剥いたことについて、的確に
判断している。

資料活用の技能・表現:
チャイコフスキーの交響曲「1812年」を鑑賞することにより、ナポレオンのロ
シア遠征を撃退したロシア人ナショナリズムの熱気を追体験している。

知識・理解:
諸国民戦争(ライプチヒの戦い)に到るまでの、ヨーロッパ各国に展開された
反仏ナショナリズムの内容や結果について、基本的な知識を身につけている。